「え、うわ、父ちゃん!」
「えっ!?」
お互いパッと離れて、恥ずかしさから、顔を上げられない。
ぜ、全部聞かれてたら、どうしよう。
恥ずかしすぎるんだけど。
そ、草太のお父さんだなんてー!!!
「父ちゃん、紹介するよ。俺の彼女の亜子」
「へっ!?」
さも当然のごとく彼女として紹介されたことに驚いた。
「なに? ちがうの?」
「ち、ちがわない! えと、柳内 亜子と申します! ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします!」
「亜子ちゃん、か。かわいい名前だね」
「いえいえ、そんな」
草太のお父さんは草太にそっくりで、笑顔がとても素敵な体格のいいお父さんだった。
芯が強くて、しっかりしていて、きっと、草太が大人になったら、こんな感じなのかな。
「この度はわざわざこんな遠くまで来ていただいて……すみません」
「いや、いいんだよ。草太の奴が血相変えて頼みこんでくるから、何事かと思ったけどね」
お父さんにクスッと笑われて、草太は「べつにいいだろ」と子どもみたいにスネてそっぽを向く。



