『とにかくすぐに行くから、待ってろよ!』

『ううっ……うわーん……っ』

草太、草太に会いたい。

会いたいよ。

このピンチの状況で、一番会いたいのは草太だけだ。

電話が切れてからも、しばらく涙は止まらなかったけど、少しすると大分落ち着いてきた。

震えるほど寒くて、どうしてこんなに薄着できちゃったんだろうと自分のバカさを呪いたくなる。

両手で腕をさすりながら、息をすると白く立ち上って消える。

嗚咽を落ち着かせるように深呼吸を繰り返した。

とにかく草太にこんなみっともない姿は見せられない。

すぐ行くって言ってくれたけど……でも、ちょっと待って。

ここって自転車じゃ無理な距離だよね。

走って来るとかも、当然無理だ。

だとすると、どうやって……?

しかも、私さっき、この寒さで死んじゃうんじゃないかと思って、とっさに草太になにを言った……?

「わー、きゃあ」

めちゃくちゃ恥ずかしいことを言った気がするよ。