ドキドキしながらスマホでメッセージを送った。
『話したいことがあるから、今から会えないかな?』
そう打っている途中で、バス停の備え付けの時刻表を覗きこんだ。
「えーっと、今日は土曜日……」
土曜日の欄を見て、目を疑う。
「ウ、ウソでしょ」
そんなはずはないっ。
何度も何度も、穴が開くほどそこを見つめる。
だけど、バスの時間は土曜日だから早いのか、もう終了してしまっていた。
「ウソ、やだ、なんでっ」
やっぱり何度確認しても最終バスはもう出発してしまったあとで、当然だけど、時刻表の時間は変わらない。
「バスがないってことは……帰れないってこと?」
ここは駅から四十分も離れているし、歩いて帰るにも、山道が怖すぎてとてもじゃないけど無理だ。
それに今から山道を歩くとなると、夜になっちゃうよ。
ううん、もしかすると夜中になるかも。
それに、道もわからない。
「ど、どうしよう……」
どうしたら、いいの。
お父さんは昨日から出張で、帰って来るのは明日だし……。
他に頼れる人なんて、私にはいない。
せっかく決意を固めたのに、こんなことってないよ。