草太の横顔は驚くほど無表情で冷たくて。

その背中からは、なんだか異様なオーラを感じた。

思わずゾクリとしてしまうほどで、まるで草太が知らない人のように思える。

私、もしかして、すごく嫌われてる?

キュッと身が縮こまる思いがして、教室の中へ身を隠した私は、背中をドアに預けて未だに鳴り止まない胸を手で強く押さえた。

痛いのかドキドキしてるのか、自分でもよくわからない。

なにをしているんだろう、私は。

好きな人を自分から手放したくせに、気になって仕方がなくて、勝手に傷ついたり、ドキドキしたり。

バカじゃないの。

バカ、だよね。

後悔するくらいなら、手放さなきゃよかったんだ。

それなのに、今になって、ほんとバカ。