たしかに……その通りだ。

私はただなにもせずに、朱里ちゃんのことを見て見ぬフリ。

それで勝手に不安になって、草太のことを信じられなくなっている。

不安にさせないで。

朱里ちゃんのこと、どうにかしてよって。

そんなことばかり考えて、自分じゃなにも行動しなかった。

「最初はうっとおしそうだった草太君も、今じゃ一緒に帰ってくれるようにまでなったんだよ? これって進歩だと思わない?」

草太と朱里ちゃんが仲良く一緒に帰ってる姿を想像するだけで、胸が締めつけられた。

「亜子ちゃんからあたしに心変わりする日も近いかもね?」

不意に涙があふれてきて、その場から逃げるように立ち去る。

後ろにいる朱里ちゃんにじっと見つめられている気がして、自然と駆け足になった。

ムカつく。

どうしてここまで言われなきゃいけないの。

だいたい、草太も草太だよ。

なんで一緒に帰ってんの?

心配しないでって言ったのはウソだったんだ?