「注文いいっすか? トマトクリームパスタセットがひとつと、あとは……モンブラン風クリームと生クリームたっぷりのフワフワ……? えーっと……モ、モフモヒュ……し、しっとり滑らかパンケーキのしっかりマロン乗せをお願いします……」

パンケーキを注文する時だけなぜか小声になる草太。

途中噛んでいたり、照れくさそうに赤くなっている姿が面白くて、つい笑ってしまった。

「かしこまりました、それではご注文を繰り返させていただきます。トマトクリームパスタセットがおひとつ、モンブラン風クリームと生クリームたっぷりフワフワモフモフしっとり滑らかパンケーキのたっぷりマロン乗せがおひとつ。以上でよろしいでしょうか?」

「は、はい……」

店員さんが去ったあと、思わず我慢ができなくなった。

「あはは」

「笑うなよ。それにしても、モフモフって……人生で初めて言った単語だと思う」

「その割にはモフモヒュって……笑いこらえるの必死だった」

「うっ……も、もう言わねーからな」

スネたように私を見つめる草太の顔はほんのり赤い。

「だいたい、そんなネーミングのパンケーキおかしいだろ……」

ブツブツ言いながらふてくされる姿は、なんだかかわいい。