朱里ちゃんのこと、気になるのに聞けるような感じじゃなくなってしまった。

ど、どうしよう……。

繋がれた手が、とても照れくさい。草太の手は大きくて、温かくて。

横顔だってキリッとしてるし、背だって高いし、イケメンだし。

こんな完璧な人が、私を好きだなんて今さらだけど本当に信じられないよ。

手を繋ぐという行為に緊張して身体の動きがぎこちなくなる。

草太は平然としているし、もしかしたら慣れているのかも……。

そういえば、朱里ちゃん以外に好きになった子っているのかな。

彼女とかいたことある?

勝手にいないと思い込んでいたけど、モテるし、本当のところはどうなんだろう。

「この店とか、どう?」

「へっ!?」

素っ頓狂な声を出した私に、草太は小さく噴き出した。

「ここ、スイーツがうまいらしいよ」

そう言われてお店の外観に目をやると、そこは駅の目の前にあるウッド調のかわいらしいカフェだった。

表にはメニュー表が置かれていて、ズラリと並ぶパンケーキメニュー。どうやらここはパンケーキがウリのようだ。

ページをめくっていくとパスタやドリアなどの軽食もあって、スイーツが食べたい人も、甘いものが苦手な人も入れそうなお店。