入学式の日に一目惚れをして、偶然にも同じクラスだった彼。

教室では席が離れていたから、休み時間のたびに、彼に存在を知ってもらおうと必死にアピールした。

もともと人懐っこい性格をしている彼と仲良くなるのに時間はかからなかったけど、彼はいわゆるムードメーカー的存在で、いつも周りにはたくさんの人がいた。

おまけにイケメンで、背が高くて、誰にでも優しい。当然だけどモテないはずがなく、周りには絶えず女子の姿があった。

相手にされるはずがないことはわかっていたけど、こうと決めたら即行動派の私は思い切って告白した。

結果は惨敗。友達にしか思えないって言われて振られた。

それでも諦められなくて、何度も何度も告白を繰り返して、最終的には『好きじゃなくてもいいから』って、無理やり付き合ってもらうことになった。

思い切ってデートに誘って放課後にショッピングモールをブラブラしたり、友達カップルと一緒にゲームセンターで遊んだり。

毎日がとても楽しくて、一緒にいる時間が長くなればなるほど、どんどん欲張りになってワガママを言ってしまうこともあった。

『疲れる』

まさか、そんな風に思われていたなんて……。

本音を聞かされて、すごくショックだ。