「はぁ、いいよな、おまえらはさぁ。ラブラブで羨ましいよ」
特に草太のことで絡んでこられるのが一番困る。
「ラ、ラブラブとか、そんなことないからっ!」
こんなふうに言われるのはしょっちゅうで、そのたびにムキになって言い返してる。
「おーおー、真っ赤になっちゃって。亜子ちゃんって、マジでかわいいな」
「な、なに言ってんのっ」
「なぁ、草太。お嫁にしたいくらいかわいいよな?」
「なっ……なに、言って、くれちゃってんにょ」
ビックリしすぎて思わず噛んでしまった。
「はははっ、マジでかわいい亜子ちゃん。俺のツボだわ」
お腹を抱えて大笑いする高木君と、真っ赤になる私。
「拓也、いい加減にしろ」
後ろから草太の低い声が聞こえてきた。
「はは、悪かったって。亜子ちゃんって、からかうとおもしれーんだもん」
「うう、ひどい」
高木君に笑い者にされるなんて。
「人の彼女を笑うな」
──ドキッ
『人の彼女』って。
改めて彼女宣言されたことにドキッとする。
「それに、かわいいとか言うな」
「妬くなよー、冗談だろ?」
「それでも、ムカつく」
独占欲丸出しの草太に、ドキドキが止まらない。