「大丈夫だよ、小関君って美優ちゃんのことめちゃくちゃ大事にしてるじゃん」

「ううっ、そ、それがね、今週末家に来ないかって誘われてるの」

「えっ?」

「親がいないからって……それって、そういうことだよね!?」

半泣きになりながら、美優ちゃんが私に視線を向ける。

「ひぇー、あの爽やか系男子の小関君でも、そういうことを考えてたりするんだ……」

「ううっ」

「美優ちゃんが嫌なら、ちゃんと話して断ってもいいと思うけどなぁ」

小関君は優しいから、そのくらいじゃなにも言わないと思うし。

本当に美優ちゃんのことが好きなら考えてくれるでしょ。

「で、でも、気まずくなったり、嫌われたくないしさぁ……」

「そんなことで嫌うようなら、それまでの人だったってことだよ」

「そう、かなぁ?」

「うん、そんな人、こっちから振ってやる! くらいの覚悟持たなきゃ」

「う、うん。そうだよね! わかった、がんばって本音を話してみる」

「うん!」

パアッと明るくなった美優ちゃんの顔を見てホッと息をつく。

なんとなくだけど、小関君は美優ちゃんのことを大切にしているような気がする。

話してる時の雰囲気とか、美優ちゃんを見つめる優しい瞳とか。