ちょっと待ってよ、手に入れたら終わりって……。

身体の関係を持ったあとは、特に優しくなくなる……。

捕まえた獲物には興味がなくなるって……。

ううっ、なんだか今の私にはリアルタイムすぎてヘコむ。

そんなつもりはなくても、簡単に家に誘ったことが本当に恥ずかしくなってきた。

自分の席に座り、両手で頬を覆うようにして机に肘をつく。

教室での草太との距離感は前よりも近くなったとは思うけど、なんとなく自分からは話しかけにくい。

後ろから視線を感じるのは、席替えで草太が私の後ろの席になったから。

咲希とは席が離れちゃって寂しいけど、隣に美優ちゃんがいてくれるから心強い。

美優ちゃんに目を向けると、気まずそうに顔を伏せていた。

「どうしたの?」

「教室でそんな話するの、やめてほしいよね」

「え、あ」

後ろをチラッと振り返りながらため息を吐く美優ちゃん。その輪の中には小関君もいる。

あんな話を聞かされたら誰だって気まずいと思うし、彼氏がそこに混ざっていたら嫌だよね。

「なんだかあたし、すごく自信がなくなってきた……」

「ええっ、なに言ってるの。大丈夫だって」

美優ちゃんが頭を抱えながら机に突っ伏す。

私はそんな美優ちゃんの肩をそっと叩いた。