教室に戻ると、草太は高木君やクラスの男子や女子たちと楽しそうに談笑していた。
いつ見ても輪の中で一番目立ってる。
はぁ、カッコいいなぁ。
どんどん好きになってるよ。
どんな話をしているんだろうと思いながら、耳を澄ませる。
「だからー、男って手に入れたらそれで終わりなのよ。もう自分のものになったからって、付き合っても努力しなくなる。身体の関係を持ったあとは、特に優しくなくなる」
「いや、それは付き合う相手が悪すぎたんだって」
「ううん、そんなことないよ! 最初はすっごい優しかったもん。それなのに、手に入れた途端急にだからね」
「あー、でも言ってることはわかる。男って狩りを楽しむ生き物だからな。捕まえた獲物には、興味なくなるっていうか」
「ほら! あたしの言った通りじゃない!」
クラスでも目立つグループの派手でかわいい女子と、いかにもチャラチャラしている高木君の会話。
その場にいるみんなは笑って聞いているだけ。
男子はうんうんと、高木君の声に同意している人多数。
な、なんて話をしてるの。
草太はうんともすんとも言ってないけど、もしかするとこれが一般的な男子の思考なのかな。



