なぜだかまっすぐに見つめられて、草太の瞳は熱を宿しているように見える。
「男を家に誘う時は、特に」
「べ、べつに、亜子はそんなつもりで言ったわけじゃ……」
草太にそう思われていたことが、ものすごく恥ずかしい。
「いや、うん。わかってるけど、でも、そこは意識したほうがいいと思う」
「ご、ごめん……」
そう言いながらうつむく。
やっぱり誘わないほうがよかったんだ。
軽い女だって思われちゃったかな。
それはそれでなんとなくショックだ。
またやらかしちゃった?
もう失敗はしたくないのに、草太に嫌われたらどうしよう……。
途端に不安が胸を埋め尽くしていく。
嫌われたくない、絶対に。
太陽の時みたいに、傷つくのだけは絶対に嫌だ。
「亜子?」
うかがうような草太の声に顔を上げる。草太は急に黙り込んだ私に、どこか心配そうな目を向けてきた。
「ご、ごめんね。これからは気をつけるから!」
私は無理に笑顔を作った。
「あ、おう!」
作り笑いしたこと、気づかれるかと思ったけど、大丈夫だったみたい。
そのあと食べたオムライスの味は、なぜだかよくわからなかった。



