「このあと時間大丈夫?」
「え? あ、うん」
「俺、腹減っちゃってさ。よかったら、そこのファミレス行かない?」
「そういえば、亜子もお昼まだ食べてないや。あ、もしよかったら亜子んちくる? よければ簡単な物作るよ」
「え、いや、でも」
「あはは、遠慮しなくて大丈夫だよ?」
「いやいや、ほら、気ぃ遣うしさ。とりあえず、今日のところはそこのファミレスにしようぜ」
「そう?」
まぁ、草太がそう言うなら。
もしかすると私の手料理が嫌だったのかな。
この前お弁当の唐揚げを喜んで食べてたから、好きだと思ったのに。
べつにへんな意味はなく誘ったんだけどな。
まぁでも、人の家って気を遣うのはたしかだよね。
ファミレスのほうが気兼ねしなくていいのかもしれない。
ファミレスに着き、席に案内してもらって向かい合って座ると、なんとなくまた緊張してきた。
草太はどことなく元気がなくなっていて、どうしたんだろうと首を傾げる。
「あんまりさ、簡単に家に誘ったりすんなよ。俺だって、一応男なんだから」
「え?」
「もうちょっと危機感を持って下さい」
「き、危機感……」
それは、草太はそういう意味で言ってるの?



