ダ、ダメだ。
そんな甘いことを言われたら、なんだかむず痒い。
草太はスマホ片手に私の隣に腰かけた。
「スマホケース、使ってくれてるんだね」
「え? ああ、せっかく亜子からもらったお揃いの物だし」
「えへへ、嬉しい。ほら、亜子も」
草太のスマホの横に自分のスマホをかざす。
色違いのスマホケースは、私がピンクで草太が黒。
「なんかハズいな。俺、お揃いの物とか持つキャラじゃなかったのに」
「そうなんだ? じゃあ、余計なことしちゃったかな」
完全に私好みのスマホケースだし、しかもちょっと女の子っぽいデザインだし。
もしかすると気に入らなかった?
草太の好みがわからないから、押しつけてしまってたら嫌だな。
「俺のこと考えて選んでくれたんだなって思ったら、普通に嬉しいよ」
「あ、色は草太のこと考えて選んだよ。デザインは亜子の趣味だけど」
「なんかもう、それだけで嬉しい」
なんて言って照れたように草太が笑うから、私まで赤くなってしまう。
ドキドキしすぎておかしくなりそう。



