『は?駅?なにやってんの?』

草太からはすぐに返事がきて、私はドキドキしながら文字を打った。

『落ち着かなくてぶらぶらしてるの☆』

『待ってて、すぐ行く!』

えっ?

す、すぐ?

や、やばい、さすがにこれは予想してなかった。

おしゃれしてきてないし、服だってすっごくラフなのに。

一度家に帰ってもいいかな?

でもすぐくるって言ってるし……。

会いたくないけど、会いたい。

胸の奥からじわじわと気持ちがあふれてくる。


「亜子!」

しばらくして息を切らした草太がやってきた。

寝癖がついたままの髪とトロンとした瞳。

よっぽど急いできたのか、肩で息をしている。

「どうしたの、そんなに慌てて」

「いや、はぁはぁ。なんか、いても立ってもいられなくてさ」

「だからって、そんなに急いで来なくても。亜子は逃げないよ?」

クスクス笑うと、草太はムッと唇を尖らせた。

小さな男の子みたいでなんだかかわいい。

「それほど会いたかったってことだろーが」

「……っ」

不意打ちの返事に一瞬で身体が熱くなった。