「美優ってば、照れちゃって。この子、昨日小関君に呼び出されて告られたんだよ」

「へぇ、そうなんだ」

「バスケうまくてカッコいいよね。小関君、この修学旅行で他のクラスの子からも告られたらしいよ」

「それで美優がヤキモキしちゃって、告白しようと呼び出したら、逆に告白されちゃったっていうね」

「わ、すごーい!」

私は目を輝かせた。人の話を聞くのもすごく楽しい。なにより、咲希以外のクラスの子と仲良くなれたのが嬉しい。

「でもさぁ、本田君って野球以外興味ないって感じだったのにね」

「わかるー! あの硬派な本田君を、どうやって落としたの?」

「お、落とした……なんて、そんな、滅相もないっっ!」

「亜子ちゃん、真っ赤だよぉ? かわいい」

うう、恥ずかしい。

助けて、咲希。

そんな目で咲希に目をやると、クスッと笑われた。

「本田君って、硬派に見えて実は普通の男子と変わらないからね。あたしが知る限りじゃ、相当亜子に惚れてる」

「ちょ、咲希! なに言ってんの」

恥ずかしいじゃん。

照れるじゃん。

「きゃー、いいなぁ! あたしも彼氏ほしいー!」

「そんなふうに愛されてみたいよねー!」