「昨日の夜といい、今日といい……本当に申し訳ないことをしたと思ってる」
昨日の夜……それに今日も。
私たちの間にはへんな空気が流れている。
そもそも、私がはっきりしないのが原因なのかな……。
『迷惑じゃない』
そう言った真意を、伝えていないままだから。
草太は中途半端なまま寝られなかったの……?
でもそれは、私もだよ。
ドキドキしすぎて、眠れなかったんだ。
はっきり言わなきゃ、きっと草太には伝わらない。草太はこれだけ気持ちを伝えてくれたんだ。
だったら私も……素直にならなきゃ。
「あ、あのね……亜子、草太のことが」
「迷惑……だよな」
かぶせるようにして言葉が降ってきた。草太は相当反省しているのか、昨日までの強気な態度は一切ない。
「ううん、そんなこと……ないっ!」
言おう、ちゃんと。
「あ、亜子、草太のことが……好き、だよ」
そう言ったら、頭を抱えていた草太の動きがピタッと止まった。
「え……? 今、なんて?」
「だ、だから……草太のことが好きだよって……言ったんだけど」
改めて言い直すと、恥ずかしくて身体が熱くなった。