ごめんって……なに?

なんで謝るの?

そりゃいきなりキスされてビックリしたのは事実だけど……。

草太は頭を抱えて、大きなため息を吐いた。

「俺……マジでなにやってんだ……っ」

そうボヤきながら、小さくなって頭を掻きむしる。

「あ、あの……亜子は大丈夫だよ?」

草太のことが好きだから、傷ついてないって言ったらどんな顔をするかな。

そもそも、どうして草太がこんな行動に走ったのかは理解不能だけど……。

太陽と私の仲を気にしてるっぽいから……もしかすると、嫉妬……?

なんて思ってみたり。

「亜子、太陽とは──」

「なにも言わなくていい」

「え?」

「俺から聞いといてなんだけど、やっぱり聞きたくないから、そういうの」

手のひらを見せるようにして私の前に差し出した草太は、未だにバツが悪そうな表情を浮かべている。

目を合わせようとしないし、後悔しているような雰囲気を醸し出している。