特に指先がジンジン熱い。そこだけ神経が研ぎ澄まされたように、敏感になっている。
胸の奥に押しこんだはずの気持ちが、あふれ出しそうになる。
バカ、だ。
「はは、真っ赤なんだけど」
「う、だ、だって……こんなことしたの、初めてなんだもん」
恥ずかしくて語尾が小さくなる。草太の顔が見られない。
「マジ? 慣れてそうだったから、誰にでもしてんのかと思った」
「し、してないよ! 草太のほうが女の子の扱いに慣れてると思う」
頭ポンポンとか、恥ずかしいことをサラッと口にしたり。
「慣れてねーよ。ただ必死なだけだし」
なぜかスネたような目で見られているような気がする。そんなこと言われたら、恥ずかしくて余計に顔を上げられない。
無言でポップコーンを食べる。気のせいかもしれないけど、なんだかキャラメルがさっきよりもすごく甘く感じる。
それを打ち消すように飲み物を飲んだ。
ふと顔を上げると、四人組の他校の女子高生がキャーキャー言いながらこっちに向かってくるのが見えた。
「迷惑かな? 俺のこと」
「え?」
「迷惑なら、もうやめる」
「や、める?」
なにを……?
ズキンと胸が痛む。
なにをやめるっていうの?
ザワザワと揺れる木の葉。
風が吹いてフワッと髪の毛を揺らす。足元に落としていた私の目の前に、前から歩いてきた女子高生のスカートの裾がヒラヒラ舞った。
「草太、君?」



