「えー、俺ヒリーポッターもう一回行きたいんだけど」

「あ、私も!」

「二人とも、どんだけタフなの? 亜子は体力がないからダメだぁ。この辺で待ってるから、行ってきていいよ」

「っしゃあ! 行こうぜ、咲希ちゃん」

「ごめんね、亜子」

楽しそうに声を弾ませる二人。咲希も高木君に負けないくらい、子どもみたいだ。

「一回乗ったら、すぐに戻ってくるからー」

「いいよいいよ、二回でも三回でも、好きなだけ乗っておいでよ」

そんな二人に笑顔で手を振る。

「草太も、行きたかったら行っていいよ? 亜子、一人でも待てるし」

当然のように私の隣から動こうとしない草太に、笑顔を向ける。もし行きたいと思っていて、無理に私に付き合ってくれようとしているのなら申し訳ない。

「俺もちょうど休憩したいと思ってたとこだから。あそこのベンチに座って待ってて」

「あ、うん」

そう言って草太はここから少し離れた売店のほうへと、走って行ってしまった。

そして戻ってきた時、飲み物ふたつとポップコーンを胸に抱えていた。

「ん、約束のキャラメルポップコーン」

香ばしいキャラメルの匂いが鼻をつく。

「ほんとに買ってきてくれたの? っていうか、べつによかったのに……」

昨日も奢ってもらってるのに、続けてとなると悪い気がしてくる。