どんなことにも一生懸命で、真面目で、誠実。それは、今この場所でも発揮されているようだ。
結果は──。
「はっはー! 俺らの勝ちー! イェーイ!」
ドンマイというように、草太の肩をポンポンと叩く高木君。勝ったのがよっぽど嬉しいのか、満面の笑みを浮かべている。
「うぜー、マジでうぜー。腹立つわー」
負けず嫌いな草太は納得がいかないのか、拳を握りしめて悔しがっている。
「いいだろ、たまには俺にも花を持たせてくれたって。昼飯はなに食わせてもらおっかなー! タダ飯バンザーイ」
子どもみたいな高木君を見て笑ってしまう。
そのあとも私たちは色んなアトラクションを楽しんだ。恐竜ワールドの急流滑りに、後ろ向きに走るジェットコースター、ファンタジー映画の中に飛びこんだような非日常の世界。
かわいいキャラクターの着ぐるみもパーク内の至るところにいて、咲希と一緒にたくさん写真を撮った。
「はー、疲れたー。ちょっと休憩しようよ」
歩きすぎて足が痛いのと、喉が渇いた。それに、少し小腹が空いた。
気づくとお昼を過ぎて、おやつの時間になっていた。
まだお土産も買ってないし、夜のショーも観なきゃいけないから、体力はできるだけ温存しておきたい。そのためには休憩も必要だと思うんだ。



