それだけでなんだか胸がいっぱいになった。甘い響きもプラスされているような気がして、恥ずかしくてたまらない。
下を向いて赤くなった顔を隠した。チラッと上目遣いで草太を見ると、その頬もピンク色に染まっている。
あは、なんだこれ。
恥ずかしい。もどかしい。
「そういうのは、二人きりの時にやってくれない? 見てるこっちが恥ずかしいよ」
咲希に苦笑いされて、さらに頬が熱くなる。
「な、なに言ってんの。そんなんじゃないからっ」
恥ずかしくて、つい反論してしまった。
ダメだ、やっぱり本田君……草太といると調子が狂う。ドキドキして、胸がいっぱいで、なんでだろう。いつにも増して、草太がカッコよく見える。
私の目はおかしくなっちゃったのかもしれない。
よくわからない気持ちを抱えたまま、二学期の最初の行事、修学旅行の日がやってきた。
行き先は関西で三泊四日の予定。
朝からテンションが上がって、ウキウキワクワクする。早く着かないかなぁ。
なんて思いながら、新幹線の窓から景色を眺める。
新幹線で約二時間の距離は近いようで遠かった。到着したあとはバスに乗って移動。