それにね、もっともっと仲良くなりたいと思ってるんだ。
「わかった、じゃあ亜子って呼ぶね」
「ありがとう! 嬉しい!」
ニッコリ笑うと、南野さん……咲希も笑顔を見せてくれた。咲希が笑ってくれるなんて、とてもレアなことだから嬉しい。
それに、すごくかわいい。
「じゃあ俺も便乗して『亜子』って呼ぼっかな」
前から歩いてきたのは、本田君。その笑顔がまぶしくて、思わず目をそらしてしまった。
「俺のことも、草太って呼んでよ」
「え……? あ、うん。くん付けなら呼べる……かな」
「俺、草太君って呼ばれるの嫌いなんだよなぁ。だから、草太でよろしく」
「うっ。えっと、あの。うん、がんばる」
「はは、それってがんばることなんだ?」
「亜子にとってはね。あんまり下の名前で呼んでる人って、いないから」
それは男女を含めてという意味で言ったつもりだった。
「三上のことは、躊躇なく呼んでるのにな」
「え?」
いきなり太陽のことを出されて、しかもちょっとムッとしているからなんだか笑ってしまう。
「そ、草太」
「え」
「草太って呼んでみた。案外、呼べるかも」
「お、おう。じゃあ、俺も。亜子」
草太の低い声が私の名前を呼ぶ。