「中学の時の卒アル、見る?」

「あ、うん!」

高木君は一人でゲームを始めてしまい、私はどうすればいいかわからずにぼんやりしていた。するとそこに本田君が気を遣って話しかけてくれた。

早速、提案に乗ることに。だって、女の子のことがなにかわかるかもしれないし。気になるんだもん。

まずはクラス順に一人一人の顔と名前が載ったページ。本田君は一組だったらしく、すぐに見つかった。

「わー、若い! 坊主だったんだー」

クリクリの目に坊主頭の本田君は、どこか照れくさそうにぎこちなく笑っている。

「まぁ、野球部だったからな」

「なんだか、かわいいー」

「それ、一番言われたくねー言葉だから」

「あ、ごめーん」

じとっと私を見て、ムッと唇を尖らせる本田君。私はそんな本田君に愛想笑いを浮かべる。

順に中を見ていくと、次に高木君の写真も出てきた。今よりも幼くて、黒髪の高木君。意外にも真面目な雰囲気で、今のチャラチャラしたような感じはない。制服をピシッと着こなしていそうな秀才タイプ。

「高校デビューしたの?」

写真と高木君の顔を交互に見つめながら問うと──。

「まぁ、そんなとこかな」

へぇ、そうなんだ。

次のページをめくると、今とは比べ物にならないくらい地味な沢井さんが写っていて目を疑った。髪の毛は伸び放題、メガネをかけて、かなりぽっちゃりしている。

名前を見るまで沢井さんだとわからなかったほど、別人みたいだった。

昔はイジメられてたって言ってたっけ……。

がんばって変わったのかな。だとしたらすごいな。

女の子の個別写真は見当たらなくて、ちょっと拍子抜け。さっきの写真は一瞬だったし、名前もわからないから見落としたのかもしれない。

次のページをめくると、一年の時の一泊キャンプの写真や、学校行事の写真がたくさん載っていた。