「わー、きれい!」
「ほーんと、すごいねー!」
「うわ、あっちー! こっちに向けるんじゃねーよ!」
公園にはたくさんのクラスメイトが集まった。主催者がクラスの中心人物で、人気者の高木君ということもあるんだと思う。
みんなが楽しそうにしているのを、遠くから見守る私。
「まさか、柳内さんがくるなんてね」
「亜子も、南野さんがきてるとは思わなかったよ」
花火をするでもなく、公園の隅のベンチに並んで座る。いつも一人でいることが多い南野さんが、クラスの集まりに参加するなんて驚きだ。
南野さんの私服は、スキニーのジーンズにストライプ柄のサテン生地のトップスだった。スタイルがいいから、体の線がきれいに出ている。きっと、大人っぽいって南野さんみたいな人のことを言うんだ。
「私はまぁ、勉強の息抜きにね。ほら、毎日同じことの繰り返しじゃ飽きるでしょ?」
「勉強って、そんなに毎日してるの?」
そういえば、少し疲れたような顔をしているかも。
「塾の夏期講習と、それがない日は家庭教師がうちにきてみっちり教えてくれるんだ」
「へ、へえ。なんだか、大変そうだね」
「私はべつに、そこまでしたいわけじゃないんだけど。親がね……」
「真面目な親御さんなんだね」