「さぁ、行こっか」
気を取り直して歩き出す。恥ずかしくて本田君の顔を見られない。赤くなっているのを見られるのも嫌で、追いつかれないように足早に歩いた。
でも身長差があるから、すぐに隣に並ばれてしまった。
「柳内さん身長低いから、急いでてもすぐに追いつくよ」
クスッと笑いながらそんなことを言う本田君が憎らしい。
「それって失礼じゃなーい?」
「ははっ」
──ホッ。
今、普通に話せてるよね?
赤かった顔も、次第に落ち着いてきた。
青空からはさんさんと太陽の光が降り注いでいる。まぶしくて、溶けそうで、じっとしていても汗ばむようないい天気。暑いけど湿気はなく、スッキリしていて過ごしやすい。
夏休みに入って本田君はさらに黒くなっている。思わずじっと見ていたら、思いっきり目が合った。
「ん?」
「いやー、真夏の部活は大変だなと思って。熱中症になったりしない?」
「あー、そういや何人かバテ気味だけど、俺は全然大丈夫。体力だけは、誰にも負けない自信がある」
夏の暑さをものともせずに、本田君はさわやかな笑顔を浮かべる。
ずっと野球をやってるんだもん、暑さにも慣れっこなのかな。すごいなぁ。
「そういえば、試合があるんだっけ?」
前にそんなことを言ってたような気がするのを思い出した。
「あ、もう終わった」
「え? そうなの? 行きたかったのにー」



