明日?
なんだろう?
「ほら、拓也が前に言ってただろ? 夏休みにみんなで花火しようって。明日になったんだけど、これる?」
「そういえば、言ってたね。うん、大丈夫だよ」
「っしゃ! じゃあ、明日夕方四時に迎えに行くから!」
「え?」
──プープープープー。
繰り返される虚しい音。返事をする前に電話は切れた。
「べつに、迎えに来てもらわなくても大丈夫なのに……」
本田君って相変わらず強引だ。
電話を終えて部屋に戻ると結愛ちゃんに根掘り葉掘り聞かれて、結局電話の内容を話すことになってしまった。
「応援してるから、がんばってね」
「な、なに言ってんのー、がんばらないよ」
結愛ちゃんったら。
「それより、結愛ちゃんこそ彼氏とどうなの?」
「あたし?」
「ラブラブなんでしょ?」
「えへへっ、まぁね」
控えめに言って、赤くなる結愛ちゃん。かわいくて、つい頬がゆるむ。
そのあとも結愛ちゃんの話で盛り上がって、気づけばもう夜遅い時間。そろそろ出ようということになって、カラオケを出た。
今から彼氏が迎えにくるという結愛ちゃんとバイバイして、家路につく。
その間ずっと、本田君のことが頭から離れなかった。



