「じゃあ、今度はお年玉かな」


「あ、そうだね。お年玉何かプレゼントするよ」


「梨々花さん、お年玉は現金だよ」
無邪気に捨てられた仔犬のように愛らしく私を見つめてくる。


「あっ、そっか、わかった。用意しとく」
また会える約束が出来て嬉しくて仕方なく快諾する私は、なんの疑念も抱かない。


「じゃあ、またね」


「うんうん。気をつけて」
龍君のあどけない笑顔にもはやとろけそうになっている。


龍君と出会ったのは、派遣先の食品会社の事務していた時、一度現場に連れて行かれたことがあり、そこでバイトしてたのが龍君。私は龍君に一目惚れし、それから毎日スーパーに通い続けた。


そして、18歳差の龍君とのデートまでこぎつけた。龍君は、大学生で、バイト代も実家に仕送りしてるため、お金に余裕がない。だから、私はそれを知ってからずっとご飯をご馳走したり、プレゼントしたりしている。


私はその生活にとても満足しているが、流石にお金が底をついてきた。



正直、お金がない。でも、龍君と離れる気はさらさらない。