「いつもありがとう。梨々花さん」
母性本能を擽るキュートな表情が私の目の前に現れる。


「いいのよ。龍君が嬉しいと私も幸せだから」

私はこっそりその場を離れ、預金通帳の残高を確認する。


[2893円]


外の冷たい風が私の身体も心も一層氷つける。
世の中はクリスマス一色。新しい街並みの色とりどりの鮮やかなイルミネーションにほっこりする。
しかし、私の金銭事情は最悪である。


私は18歳年下の龍君にクリスマスプレゼントを買ってあげた。龍君とはこんな関係がずっと続いており、もうすぐ1年になる。


龍君は、あどけない表情が魅力的な可愛いイケメン。背は高く細身のサラサラヘアーで、いつも優しくエスコートしてくれる。


そして何よりも、ものすごく美味しそうにご飯を食べる姿は、私の心に深い胸キュンの矢を突き刺す。


「いっぱい食べてね」
私はただ見てるだけ。


「梨々花さん、このステーキ最高だよ」


「そう、よかった」
私の大の癒しの龍君は、私から決して離れようとはしない。


私達は付き合ってるんだよね?って確認したいけど、流石に年齢差を考えると、怖くて聞けない。


でも、龍君は私の事が好きなんだと深く信じている。