でもそんなことはもう言ってられない。
あんな辛そうなお父さん初めて見たから。
私は家に帰り父に言われるがまま一通りの荷物を詰め車にのった。
「今日から一週間園城寺財閥の使用人として雇われる。」
「使用人?」
「あぁ。身の回りの世話などをするやつだ。」
家事はお母さんがいなくてするようになったけど
お世話ってどういうことなのだろうか
「一週間ってどういうこと?」
結婚生活一週間なわけないし。
「それで見極めるんだ
御曹司の妻に適する人を。本人が」
なるほど、試用期間ということか。
「じゃあ、この一週間が勝負ってことね」
「そういうことだ。
ユミ、嫌なことがあったら帰ってこい。必ず。」
「うん、ありがとう」
私は車から降り、大きくたたずむ家の門の前に立った。
本当にやっていけるのか。
あぁ!もう一人になれば不安が募る。
早く入ってしまおう!!!



