好きの二文字が出てこない…。伝えたら零さんと両想いになるのに…。


「大丈夫だよ。まゆの気持ちわかったから」


「え?」


身体を離し、零さんは笑顔で私を見た。


「すごい震えてるし、それにそんなかわいい顔してたらわかるよ。ほんとわかりやすいね。さて…と、幹が不機嫌になる前に行こうか」


零さんは腕時計を見ると部屋を出てしまった。え?え?今のどういうことになるの?わかるよって、私が零さんを好きってことわかったから大丈夫ってこと??私零さんと付き合うことになったの??


全く理解できてない私は、急いで部屋を出て歩いてる零さんの袖を掴んだ。


「零さん、私バカだからわからない…。私は零さんの彼女になっていいの?」


「んー。俺はそのつもりだけど、まゆは嫌?」


「い、いやじゃないです!私零さんのことす、す、す…き…」


「ありがとう。まゆ」


ほっぺにチュッとキスをされ、顔がさっきよりも熱く感じる。


どうしよう…沸騰しそう…。


「………ほっぺでこんなんだったら、これ以上大丈夫かな…」


零さん今何か言った?声小さくて聞こえなかった。


首を傾げると、何でもないよと手を握ってくれた。それから二人で幹さんのもとへ行くと、状況を把握した幹さんからおめでとうございますと言われて嬉しくなった。


車に乗った後も零さんは手を握ってくれて、私は家までの時間ずっと下を向いていた。