「おーーっと!
これはまさかの事態だ!!
川口菜々さん!
さぁ、どちらを選ぶのでしょう!!!」


周りのざわつく声なんて
一切耳に入ってない様子の菜々。
放心状態で目をぱちくりさせている。


「菜々!戻ってきなさい!!」


さくらに体を大きく揺らされ
やっと状況を飲み込み始めた菜々。


「えっと…。」


顔を真っ赤にさせ、
俺と風間を交互に見つめ困惑の表情を浮かべる。


「さぁ!他の人は次々に
ゴールしてますよ!」


実況の声に決断したのか菜々が口を開いた。


「ふっ、2人とも行きましょう!」


菜々は俺と風間の腕を
片方ずつ掴んで走り出した。