「おい!なにあくびしてんだよ海人!」


バシッと腕を叩かれた。


「うるさい、お祭り大好き男。」


それは大河の事。
昔からこういう行事が大河は大好物だ。


「そんな言い方ないだろ!
ってか、ここで菜々ちゃんにいい所見せれば
ポイントアップじゃん!」


やる気出せよ!と付け足した大河。


「…?なんでここで
菜々が出てくるんだよ?」


関係なくね?
って言おうとした時


「え、だって海人は
川口ちゃんの事好きだろ?」


大河は俺の耳元で
そんな事を言い始めた。


「…は?」


「…は?じゃねーし!
とぼけても無駄だぞ!
俺の目はごまかせないんだからな!」


開会式中にも関わらず
俺をビシッと指差してそう言った。