…って、俺はなんでこんなに
菜々を可愛いって褒めまくってんの…。


それもわからない。


あーーーっと頭をクシャっとした。


だけど、そんな事をしても
この感情は消えない。


それに、さっきの菜々の顔が
頭から離れない。


ぼけーっとして
ちょっと口を開いて
潤んだ瞳で俺を見てた。


菜々は多分、いや絶対
自分がどんな顔してたか
気付いてない。


無自覚ってやつだ。


だから質が悪い。


そんな顔、俺にしか見せないでほしい。




俺がこの感情の名前を知るのは
もうすぐ先の事だった―――