初恋レモン

こんな事言ったら
海人君はどう思うのかな?
引いちゃうかな?
ちょっと怖いけど、伝えてみようと思う。


素直なとこがいいって
前に褒めてくれたから。


まだ濡れた髪を軽くふいて
私はリビングへと向かった。


***


海人君は私がいた場所で
テレビを見ていた。


「海人君。」


隣に座って名前を呼んでみる。


「ん?」


短い返事をしてこっちを見る。
視線が絡み合って
どんどん高鳴る心臓。


伸びてきた海人君の手は
私の髪をすくった。


「まだ濡れてる。風邪ひくよ。」


そう言って、私の首かかっていた
バスタオルで軽く水気を取ると
ドライヤーで髪を乾かしてくれた。


「はい、完了。」