初恋レモン

だけど、菜々だけは違った。


「光輝君!交代だよ!
私何やればいいかな!?
やる気満々だよ!!」


誰よりも早くエプロンと
バンダナを身に付けた菜々が
光輝に話しかけていた。


「あー、川口ちゃん
自分から行っちゃった。」


…止めればよかった。
きっとくたくたになって
今日一日が終わるんだろうな。


「菜々ごめん。
今回ばかりは私も
巻き込まれたくないから
呼び込みしてくるね~!」


さくらはさっさと逃げてるし。


まぁ、それが正解だと思うけど。


大河もさくらに便乗してるし、
俺はどうしようかな…。


なんて考えていると
菜々に呼ばれた。


「海人君!一緒にやろう!」


…光輝の目が一瞬光ったように見えた。