初恋レモン

「別にいいよ。
俺、菜々が美味しそうに食べてるの
見るの好きだから。」


そういって小さくわたあめをちぎると
私の口元に差し出した。


…これはもしかして
もしかする?


世間で言う「あーん」ってやつ?


食べた方がいい?
でもそんな恥ずかしいし…


「食べないの?」


ぐるぐる一人で頭を働かせていると
不思議に思った海人君が
そう聞いてきた。


…やっぱり食べてって意味だよね。


勇気を出して
ぱくっといった。


「菜々、俺の指は食べられないから。」


目を瞑って食べたのがいけなかった。


勢い余って
海人君の指まで食べてしまった。


「~~~///」


余りの恥ずかしさに
声も出なかった。