初恋レモン

それはすっごく完成度が高くて、
テレビで見たのとそっくりだった。


「美味しそう…。」


思わずよだれが出そうになって
慌てて口元を抑えた。


「…ぷっ。」


そんな時聞こえた
笑い声はもちろん海人君で。


「早く買おっか。」


そう言って列に並び、
お目当てのわたあめを買ってくれた。



目の前にしたわたあめに
さっきの失態は頭から吹っ飛んで
口いっぱいに頬張った。


「美味しい~~~!」


見た目が可愛いだけで
美味しさ10倍くらいになるよね。


夢中で食べてしまって
気付けば半分の量になっていた。


「…!ごめん食べ過ぎた…。」


海人君が一口も食べてない事に
今さら気付いた。