初恋レモン

手を繋ぐたび
大好きって伝えたくなる。
恥ずかしいから実際は言わないけどね。


だけど海人君はエスパーみたいに
私の心を読み取るのが得意。


「菜々。」


呼ばれて海人君を見れば
私の耳元に顔を寄せて


「好きだよ。」


そう呟いた。


どんどん熱を帯びる顔を
見られたくなくて
海人君と反対側に反らした。


その間も手は握られたままで、
だけど、恥ずかしがってるのを悟って
ただ黙って歩いてくれた。


そして目的の場所へ着くころには
私の心臓も落ち着きを取り戻して
顔も赤みが引いていた。
そして私は一気にわたあめに
目を奪われた。


お祭りの屋台みたいに
何本か作られたわたあめが並んでいた。