初恋レモン

振り返れば少し遠くで
ヒラヒラと笑いながら
手を振っている2人の姿。


さくらちゃんが口パクで


『たのしんでね』


と言ってくれたのが
はっきりと分かった。


あぁ、私本当にいい友達に
恵まれたなって思った。


だから同じように口パクで


『ありがとう』


そう返した。


「じゃ、わたあめは2年生の棟だね。」


海人君と手を重ねあわせて
また歩き出した。
今となっては
手を繋いで歩くのが
当たり前になってるけど、
未だに私はドキドキする。


海人君の手は大きくて
小さい私の手を包み込んでくれる。
それが安心するけど、
同時に心臓もバクバクするんだ。
矛盾してるけど、
こういう時、”好きだな~”って
思ったりする。