本当に手放したくない。
そう考えながら菜々を見てると
なにか思い出したように口を開いた。


「ねぇ、もうすぐ文化祭だよね?
私、文化祭って行ったことないから
すっごい楽しみ!
さくらちゃんに聞いた!
東京の文化祭は盛り上がるんでしょ?」


話題は今月末にある文化祭の話になった。


「中学で文化祭なかったの?」


「うん!人数少ないから
そういう行事って全然やらないの。」



…そうなのか。
ウキウキしている菜々を
喜ばせたくて俺はあることを
思いついた。


「菜々、そろそろ帰ろうか。」


クレープを食べ終えたのを見て
俺たちは歩き出した。


菜々を家まで送った後、
俺はさっきの思いつきを実行すべく、
光輝と大河を呼んで作戦会議を始めた。


海人Side END