「ふっ、嘘だから安心して。
ちょっとからかっただけ。」


頭を撫でると顔を上げて
今度はぷくっと頬を膨らませた。


…だからそんな事しても
可愛いだけなのに。


「もう怒った!あんまり
からかっちゃダメ!」


ぷいっとそっぽを向く仕草も
全然怒っているようには見えなくて。


「ごめんて。
チョコあげるから許して。」


たまたまポケットに入っていた
一口サイズのチョコを取り出すと
どうやら機嫌が直ったみたい。


「え!ありがとう!!」


嬉しそうにニコニコしながら
チョコを見つめていた。


…単純。


クレープも食べてるのに
チョコにつられる菜々。
普段はこの単純さが
危なっかしくてそわそわするけど、
俺の前でならいいな。