初恋レモン

「今まで食べた
どのロールケーキよりも美味しい!!」


本当にお世辞とかじゃなくて。


その証拠に、私は1分も経たないうちに
自分の分を平らげてしまった。


これは大河君が
独り占めしたくなるのも分かる。


「菜々、食べるの早すぎ。」


感動に浸っていた私は
海人君の声で我に返った。


優しい笑顔で私を見ている海人君。
その笑顔がかっこよくて癒されつつも、
光輝君の家に来てから
2度も笑われてしまって
もっとしっかりしようと心に決めた。


***


「じゃ、勉強始めよっか!」


私達は机にノートや問題集を広げた。


勉強と言うよりも、
どっちかと言えば私と大河君の
特別講座みたいなもの。