いつもなら、この時間とこの道順だと、両親には会わないはず。 …私の計算違いだ…。 「歩…!」 私はあわてて部屋に引き返そうとしたが、 母の声に呼び止められた。 半泣きで振り返ると、久しぶりに見る母の顔があった。 母も同じ事を思っているらしく、 私の顔をまじまじと見ている。