スマイルウォーター

31話
一方、亮太は車椅子に乗りながら自動販売機に向かっていた。
その車椅子を雅美が押していた。
「しかし車椅子は毎日見ているがこうやって乗ると新鮮な気持ちだな」亮太は言った。
「……これから頑張らないとね」雅美は笑顔で言った。
「………そうだな。俺まで車椅子になったらお前が大変だろうし」
すると亮太はため息をついた。
「実奈は毎日こうやって生活していたのか…」
亮太は分かっていたとはいえ切なくなった。
そして3週間後、亮太のリハビリが始まった。
繋と成香は亮太のそばにいた。
「まずはゆっくり歩きましょう」
亮太は手すりに掴みながら足を地面につけた。
その時、激痛が走った。
亮太は思わず車椅子に座る。
「最初は辛いですが何回もやっていけば足は地面につけられるようになります。だからゆっくりで良いですよ」繋は励ます。
亮太は再び足を下につけるがやはり激痛が走った。
亮太はまだ座りこむ。
繋はどうしたら歩けるようになるか考える。
しかしやっぱり何回もやっていくしかないと考えた。
夕方、繋は実奈と雅美を玄関まで送った。
「ありがとう繋」
「患者のリハビリをするのはドクターとして当然だ」
「お父さんとお母さんがここに搬送されて良かった」実奈は言った。
雅美は繋を見る。
「実奈、先に帰ってて」
「え? 何で?」
「ちょっと手川先生とお父さんの事について話したい事があるから」
そう聞くと実奈は先に車椅子で帰っていった。
実奈が見えなくなったところで雅美は繋を見る。
「手川先生、私達は実奈と別れてほしいとか悪気はないとはいえそんな酷い事を言ったのに夫のために力を尽くしてくれてありがとうございます」雅美は頭を下げた。
「私はドクターとして当然の事をしているだけです」繋は言った。
すると雅美はずっと疑問に思っていた事を聞いた。
「手川先生はなぜうちの娘の事を好きになったのですか? 内の娘は障害者だというのに」
「私は実奈さんの心に惹かれて好きになりました。実奈さんの明るさと笑顔、そして優しさに触れ合って私は実奈さんを好きになりました」
「そうですか」雅美は思わず笑顔になった。
「私が実奈さんを支えているように思われますがしかし本当は私が実奈さんに支えられているんだと思います」
「……ありがとうございます」雅美は思わず頭を下げた。
「お父様のリハビリはまだまだ続きますが頑張っていきましょう」
「よろしくお願いします」
そして雅美は帰っていった。