スマイルウォーター

30話
翌日、亮太が目を覚ますと病室にいた。
ふと足に違和感を抱いた。
足を見ると包帯に何十にも巻かれた跡があった。
「あなた」
顔を上げると雅美がいた。
「何があったんだ?」
「昨日、トラックが突っ込む事故がありました」
横を見ると繋がいた。
「2人はそのトラック事故に巻き込まれ搬送されてきたのです」
「先生、足に違和感あるのですか」
「事故の影響で足は負傷しています。最悪の場合、一生車椅子生活になるかもしれません」
亮太は戦慄した。
「…しかしリハビリをすれば良くなる可能性もあります。なので希望を捨てず頑張りましょう」
亮太は戸惑っていた。
「お父さん」
そこに実奈が成香に車椅子を押されながらやって来た。
「実奈」
「お父さん無事でよかった」実奈は安心した。
「ごめん、心配かけて」
「良いのよ。それより私に何が出来るが分からないけれどでもお父さんに辛い事があったら支えていくわ」実奈は言った。
「…ありがとう…先生が手術してくれたのですか?」
「私と伊神先生が手術しました」
「そうですか……手川先生、ありがとうございます」
「ドクターとして当然の事をしただけです」
繋は無意識に天井を見る。
「……でも安心しました。まだ実奈さんにとって悲しい事が起きなくて」
それを聞いた亮太は思わず顔を上げる。
娘の事を心配してくれた繋をいざ目の前で見た亮太は嬉しくなった。
前から思っていた事とはいえこうやって娘の実奈を大切に思ってくれる人がいると思うと心が温かくなるようだった。
その頃、導と一弥は屋上で話をしていた。
「繋の彼女の両親が入院してくるとはな」一弥は呟いた。
「でもこれでお父さんまで車椅子生活になったら奥さんも彼女も悲しいだろうな」
導は歩き出す。
「でも信じているよ。繋がきっと彼女の父親を救ってくれると。そしてこれがきっかけで繋と彼女さんの交際を家族が認めてもらえると願っている」導は言った。
「家族は認めてくれていないのか?」一弥は聞いた。
「そうだよ。前に繋から聞いた。でも家族の気持ちも分からなくない。障害者を支えるという事はバイトじゃないからね。一生やっていく事になるからね。だからそんな簡単に許可は出来ないさ」
導は屋上から出て行った。
一弥は考える。
障害者を否定する事は障害者だけでなくその家族まで傷付ける事になるんじゃないかと。
なぜが一弥はそんな考えを思いついた。