スマイルウォーター

26話
「でも繋、もし私といるのが嫌になったら別れても良いよ。障害者と付き合っていくのは大変だと思うし」
実奈は両親の事もあって気を遣った。
「それは出来ないな。一度実奈を支えると決めたんだから簡単にはやめられないからな」
それを聞いた実奈は嬉しくなった。
そして繋は実奈と別れ帰った。
帰っていると繋はふと思った。
今まで実奈と一緒に帰った事は何度もあるものの手を繋いで帰った事はない。
それは前から分かっていたとはいえ繋は虚しく感じた。
すると目の前に美術の専門店があった。
繋は実奈にプレゼントしようと思い店の中に入った。
そこには様々なペンと絵があった。
その絵は鉛筆や絵の具で描いたものなどだった。
繋は実奈に何をプレゼントしたら良いか分からなかった。
そして考えた末、鉛筆と絵具、画用紙を購入し帰った。


一弥は勤務を終え帰ろうとした。
するとある事を思い出した。
それはかつて障害者に酷い仕打ちを受けた過去だった。
一弥はやはり実奈も含め障害者を憎んでいた。
「お前、まだ帰っていなかったのか」
振り返ると導と成香がいた。
「お前、まだ障害者を憎んでいるのか?」
「別にいいだろ。俺はそういう奴なんだから」一弥は相変わらずだった。
「……あなたもその障害者と同じレベルの人間じゃないの」
成香の言葉に一弥は思わず振り向く。
「どういう意味だ?」
「私も最初繋の彼女が嫌だったけれどでもその彼女と触れ合って私は彼女を良いように思えるようになった。でもあなたは過去に数人の障害者に酷い仕打ちを受けただけで障害者みんなを差別していてそんなあなたの方が問題よ」
成香は珍しく怒った。
「ふさげるな。俺は障害者に」
「障害者みんなが1つの存在じゃない」導は割って入った。
「みんな別々の存在だ。俺達ドクターだって良いドクターから悪いドクターまでいろんなのがいる。それと同じように障害者にも悪い人もいれば良い人もいる。少なくとも俺が出会った障害者の多くは良い人達だった」
導の言葉に一弥は動揺する。
良い人もいれば悪い人もいるという言葉は飽きるほど聞いているしそんな事は分かっていたがしかし一弥は受け入れられなかった。
一弥は黙って帰っていった。
導と成香はどうしたら良いか考える。
しかし思いつかない。