スマイルウォーター

15話
ある日、成香は屋上で休んでいた。
すると繋がやって来た。
「繋」
「成香、いたのか」繋はいつも通りだった。
「……繋、彼女と付き合っているの?」
「付き合っているさ。というより前に言ったじゃないか」
成香は悲しかった。
「…何でわざわざ大変な道に進むのよ!」成香は感情的に言った。
「そんなの俺の勝手だよ。というより何でお前が感情的になるんだ!」繋も思わず言った。
「………私は繋が好きなのよ」
それを聞いた繋は思わず戸惑った。
「だから障害者に繋をとられる事が嫌なの」
「待てよ! それ差別じゃないか」
「差別だよ。でもそれでも私は繋と結ばれたい」
成香は混乱していた。
「…頭を冷やしてこい」繋は呆れた。
成香は涙を浮かべた。
「ドクターとしてやってはいけない事は患者を差別する事だ。そんなお前に医療の現場は似合わない」
繋は出て行った。
しばらくすると導がやって来た。
「どうしたんだ? 何で1人でいるんだ?」導は心配した。
「何でもない」
成香も出て行った。
翌日、繋が公園に行くと実奈が待っていた。
今日は一緒に巨大自然公園に行く約束をしていた。
早速繋は実奈の車椅子を押して歩き出す。
そして駅に着きホームで電車に乗ろうとすると駅員がやって来た。
駅員は急いで敷物を轢く。
ふと周りを見ると人々は実奈に注目していた。
見て見ぬふりをする人もいればずっと見ている人もいた。
繋は実奈が可哀想に感じたが実奈は慣れているようだった。
そして電車に乗り目的地で降りて再び歩き出すと巨大自然公園に辿り着いた。
そこは花が溢れる美しい公園だった。
実奈は笑顔で花を眺める。
その姿を見た繋も嬉しくなった。
「この公園いいね、川も綺麗で風も涼しくて」
「そうだな。疲れも吹き飛ぶぐらい美しいな」
繋は空を見上げた。
そして思った。
障害者を支えるという事は大変だがしかし大変な事ばかりじゃない。
少なくともこの疲れは実奈と一緒にいるからこそとれる疲れだと考えた。
「実奈、行きたいところがあったら遠慮しないで言ってくれ」
「でも繋、もし私を支えるのが嫌になったら私と別れても良いからね。繋の人生は繋のものだし」実奈は気を遣った。