スマイルウォーター

12話
その頃、繋が病院から出ようとすると国矢が待っていた。
「君はこの間の」
「先生、実奈と付き合っているというのは本当なんですか?」
「…本当です……というより前に『実奈は元気ですか?』と聞いてきましたが付き合っていると察していたのではないのですか?」繋は思わず突っ込んだ。
国矢は複雑な表情となった。
「……俺、実奈の事が好きだったんです」
繋は思わず注目する。
「でも実奈は車椅子生活だから実奈と付き合っていくというのは大変だと考えてそれで好きだと言えなかったんです」
繋は真剣に聞く。
「俺は自分が情けないと思っています。実奈の事は好きなのに障害者を支えていくのに自信がなくて告白出来ませんでした」国矢は苦しそうだった。
「………それは仕方ない事です」
繋の言葉に国矢は思わず顔を見る。
「障害者を支えるという事は簡単な事じゃない。ドラマとか映画みたいに綺麗な事ばかりじゃない。あれは綺麗なところを切り取ったものであって実際は大変な事もたくさんあります。むしろ軽はずみな気持ちで彼女と向き合おうとしなかった君は立派だ」
国矢は真剣に聞く。
「私も実奈に対して不安な事はたくさんある。これから実奈をちゃんと支えていけるか。でもそれでも俺は実奈を支えていくつもりだ。どんなに失敗してもそれを乗り越えていく」
それを聞いた国矢は元気が出た。
繋は悪いと思いながらも聞いた。
「前に君は自分のせいで実奈を車椅子にしたと言っていたけどどういう事なんだ? 失礼かもしれないけどでも実奈の事について知りたくて……それに俺は実奈とは高校生の同級生でしたから」
「………どういう事ですか!」国矢は驚きそして聞いた。
繋は静かに話し始めた。
「高校入学の時に俺は実奈と出会った。そのときに俺は実奈に一目惚れした。その後、思わぬ偶然で実奈と関わる事が出来てそして仲良くなった」
国矢は真剣に聞く。
「でも高校2年生の時、実奈は事故に遭って負傷した。トラックが歩道者のところに突っ込んできた事による事故だった。実奈は無事だったものの下半身不随と脳による障害が残ってしまった。幸い言語などには問題なかったがしかし記憶障害が残ってしまった。実奈は高校生の入学以降の記憶を失ってしまい俺の事を忘れてしまった」
繋は辛くなった。